昨日の昼間、母のホームから電話がありました。
母が車イスから転倒し、顔面を強打したと‥
他に外傷はなく、別に急を要する事態ではなかったんだけど
電話を切った後もなんだか胸がざわざわしたので、行ってみました。




母は、ベッドに横になり眠っていました。左頬が腫れ上がり、冷却シート
貼ってもらっていました。
職員の方に話を聞くと、車イスに座った母をオープンスペースになっている
スタッフルームのすぐ前に連れてきていたんだけど、会議が始まり
ちょっと目を離してる隙に、母が一人で立ち上がろうとしたのか
車イスから転倒し顔面を床に打ち付けたとのこと‥
「申し訳ありませんでした。」と職員の方から謝りの言葉をいただいたけど
今の母の状態を見ていると、いつ、自らがとった行動が原因で怪我をしても
おかしくない状態だし、今の母なら、自らそうしかねないことも分かっていたので
職員の方のせいだなんて思っていないことを告げ、また母の部屋に戻りました。


母は目を覚ましていました。私の顔を見て、泣き出す母。
話を聞くと‥
実は先週の土曜日にランドセルを見せに行ったんだけど、その時の
息子の様子にどうしても気にかかることがあったらしく、なんとしてでも
息子に会いに行かねばと思い、歩いていく為に立ち上がろうとしたら
転んでしまった‥という母。息子のことが心配で心配で、どうしても
会って伝えたい事があったとか。でも、その母の話は幻覚の世界の話‥
とりあえず「大丈夫だよ。そんな心配はいらないから。元気にしてるよ。」
と伝えると、「あ〜よかった。」と安堵の表情を見せてくれた。
う〜〜ん‥‥実際は、母が言うような気にかかる様子など息子にはまったく無く
土曜日に行った時は、母もすごく調子が良くて、表情豊かに
息子のランドセル姿を喜んでくれていたんだけどなぁ。
いっぱいあの日は笑ってたのに‥何が母をそう思わせたんだろう?


でも、この多発性脳梗塞認知症は、いろいろな機能が低下することにより
その人が持っている感情面や情動面が表面化してくるって聞いたけど
昔から心配性だった母は、まさしく今その心配性の面が浮き上がってきている。
いろんなことを心配し、とにかく自分がなんとかせねばという気持ちが
強いらしく、会いに行く度、常に何かに囚われているかのように不安がってる。
「大丈夫だよ。心配することないから。」と声をかければすぐに安心するんだけど
結局はその繰り返しになってる感じ‥
本当に人の体って不思議。


ただ今の母は脳の情報処理能力が低下しているらしく、突然の環境の変化や
自分を取り囲む状況の変化が起こると、それに対してうまく対応出来なくなる
ようで、ちょっとした刺激でも感情の動揺が激しいように感じます。
それに、以前担当医の先生から聞かされていたように
母のような「不安」や「心配」といった感情失禁は、周囲の状況によって
引き起こされたり、増強したり、軽減したりするというのも
母を見ていて感じる‥
‥ということを考えると、私たちが会いに行くってことも
母には、いい意味でも悪い意味でも、かなりの刺激になっているんだろうと思う。


だからこそ、今、私の中で「自分達が会いに行く」ということについて
少し揺らぐ気持ちが芽生えています。
会いに行く事を母は喜んでくれているけど、実際行けば今回のように
感情失禁を増強させてしまい、結果、事故に繋がる可能性もある訳だし‥
母の為に(自分の為にも)良かれと思ってした事が かえって悪い事態を
招くこともあるんだなと思う、今日この頃。


う〜〜〜ん‥‥‥。


でも、今会いに行ってるペースを守っていきたいと考えてるけど。
どうなのかな‥正直、迷いがあるのは事実。
でもとにかく、会いに行った時は「説得より納得」の心構えで
母と向き合ってみよう。



あ〜〜もし私が母と同じ病気になったら、私のどんな部分の感情が表面化
してくるんだろう‥不安だ。ちょっと怖い。笑
出来ることなら、毎日無邪気に
平川地の歌を歌って過ごしているおばあちゃんになりたい。笑