隠れ家のようなレストラン


ラ・ビュット・ボワゼさんにてお花の教室の先生そしてお仲間と、新年会です。
世田谷・奥沢の閑静な住宅街にある、築60年の純日本家屋を改築したというこのフランス料理のレストラン。
住宅街に溶け込んでいて、本当にレストランなのかは、ここに来る目的がある人でなければ分からないほど、小さなプレートの看板があるのみです。








フランス料理では、はじめは、このように美しいお皿がお席に置いてあるんですよね。
息子がまだ小学校低学年のころ、ちょっとしたご縁で、数ヶ月間ですが、わたしはフレンチレストラン(地元の洋食屋さんという感じです)で、ランチタイムの時間だけ、お給仕のアルバイトをしていたことがありました。その時、こういう「いらっしゃいませ」というおもてなしの意味のお皿があることを知ったのですが、お客様が着席すると下げてしまうことを不思議に思ったものでした。(笑)
お料理をオーダーすると、このお皿は下げられてしまうんですよね。つまり、なにもお料理を乗せない、鑑賞するためのお皿。ってことで解釈しちゃっていいんですよね??
古伊万里リモージュ産のプレートなど、それぞれ違ったお皿で、目を楽しませていただきました。




パンは、熊笹を生地に練りこんだパン、クレソンを練りこんだパン、くるみパン、ハーブパン、海藻パンの5種類の中から好きなものをほしいだけ、選べます。




私が最初に選んだのは左からクレソン、細長いのがハーブ、右が熊笹
パン皿の形が面白いですよね。ヘレンド「インドの華」シリーズのクレセントディッシュです。(一枚3万円以上します。)カトラリーはシルバーウェアの老舗クリストフル。す・・すご・・・。
パンに添えて食べるディップは4種類。菊芋、鴨ペースト、オニオン、なんか魚のたまご(わかんない〜。お給仕の眉目麗しい男性が流暢に説明してくださいましたがメモとかできないしっ。)


↑前菜
佐渡沖のメジマグロのプティディ仕立て 秦野の有機サラダ添え
3種類の趣向を凝らしたソースでいただきます。右のピンクのは林檎のスライス。パリパリとおせんべいのような食感でした。
佐渡沖に反応しました。笑  美味でした。






↑メインディッシュ
函館沖の黒ソイと伊豆の粒貝と冬野菜のメリメロ仕立て 柚子の香り灰かに
周りのオレンジ色のソースはかぼちゃ。ほんのり甘いです。
そしてこの真ん中は、イタリアンパセリが邪魔なんですが、ほんとにもうすごいことになっていました。おそらく10種類くらいはあったでしょう、カブやカリフラワー、芽キャベツ的なもの、・・たくさんのお野菜が一口づつ上品に配置されていました。ソースはカニやいろいろな魚介のジュースを煮詰めたものだそうです。真ん中にはカリフラワーのムースがあり、とても美味しかったです。







そしてデザートは、意表を突くデコレーションではないですか!?こんなの見たことないです。
キャンドルに見立てた面白いデザートです。
炎の部分は飴細工です。キャンドルの中はしっとりした食感。スポンジ生地ではないあれはなんだったんだろう。周りはホワイトチョコでコーティングされています。バニラアイスとレッドカラント(すぐり)や林檎、ベリー類の果物も添えられていました。
レースのようにカットされたお皿には粉糖が粉雪のように飾られていましたが、その下に敷いているもう一枚のお皿にはレースのようにカットされたところからこぼれた粉砂糖がきれいな模様となって落ちて、目を楽しませてくれました。
どのように食してよいのかみんな戸惑いました。食べ方を聞きました。まず、炎の飴細工部分を手で外して、軽くフォークなどでコンコンすると割れます。…かけらが飛びます。そしてロウソク部分は横に寝かせて、お好きなようにカットして、いただきます。
芸術作品ですね。美味しかったですけど、キャンドルに歯を立てるとき、ちょと勇気が必要でしたね。透明な電球を食べてるみたい。笑
器も、どこのものかはわかりませんが、このカット。すごいものだと思いますよね。。。



ティーカップはジノリ。和風な模様でしたね。




二階の窓の外。窓ガラスは上の部分はダイヤガラス。透明なガラスには大好きな歪みがあり、古さを物語っています。いいわ〜。






一階の待合室の片隅にありました。どんなお料理やデザートに変身するのでしょうか。





この建物自体は取り立てて重厚な造りだとか、凝ったものではなかったですが、そこここに昭和初期のしつらえが残っていて、たいへん興味深かったです。



シェフ森重さん自らお見送りしてくださいました。


なによりも、こだわりの食材を使った斬新で独創的なお料理をいただけたことが、楽しかったです。
食材や調理方法などの説明を細かくしていただいて、幸せでした。うふふ。
帰り際に、「今日も美味しく頂戴いたしました。ありがとうございました。」とお友達がお声をかけていらっしゃいました。
さりげない一言ですが勉強させていただきました。
お庭には桜の大樹があり、桜の季節にも訪れたいわね、と話しておりましたらその時期はさくら目当てのお客様がたくさんで、予約が難しいということです。



シェフの直筆サイン入りお品書き。